広島大学
大学院博士課程前期
深林 真理
紛争後における平和構築に関心を持ち、大学院に入学。平和構築支援について学ぶ傍ら、それを実施する団体に興味を抱いていた。また将来、国際協力に携わる仕事に就きたいと考えているため、NPO/NGOにも関心があった。そこで今回2ヶ月間、OPACでインターンをさせて頂ける機会を得ることができ、いろいろな思いを胸に沖縄へ向かった。
この2ヶ月間は、私にとって多くのことを学び、またそれ以上に多くのことを考えさせられた期間であった。毎日が新しい発見、そして熟考の繰り返しで大変刺激的なものであった。
この期間中、進行中であった疎開事業、研究会の実施補佐、そして東ティモールにおける有権者教育の案件作成に携わったが、疎開事業で、疎開者に対する電話でのヒアリング調査を行なう中、沖縄戦の悲劇、悲惨な過去について考えさせられた。広島で生まれ育った私は、第二次世界大戦の悲劇=原爆の惨事という図式をイメージづけられていた。あまりに沖縄戦のことに関して無知であったことに気づかされ、できるだけ沖縄を知ることに努めた。このことは、広島と沖縄の経験を今後どのように捉えていくべきか、と考えさせられるきっかけとなった。
また東ティモールにおける案件作成に関しては、ほとんどゼロからのスタートであり、インターネットで現地の国際機関やNGOに関する情報収集、現地の実情を把握するために在東ティモール団体とのメールのやりとりを繰り返す日々であった。案件作成の過程において、目に見えないものを形にしていくことの大変さを知ると同時に、それに楽しさを覚えている自分がいた。平和構築の一環として捉えられる有権者というものの意義、役割について学ぶとともに、事業提案書作成に必要となってくるテクニカルな面についても学ぶことができた。東ティモールの案件作成は、理論と実践をいかに結びつけていこうとするかが問われる作業でもあり、大変重要な役割を担当させてもらったことを光栄に思う。
沖縄という独特の土地柄での生活、そしてOPACの業務に携わった2ヶ月間は、「平和」そのものについて、また「平和を創る」ことについて再考させられる機会となった。
『平和を希求する「沖縄の心」を具体的な活動に!』をモットーにするOPAC業務の背景を知ること、そしてその具体的な活動内容を体験することで、平和都市を宣言する広島の「平和都市」のあり方についても関心を抱くようになった。
OPAC業務の傍ら、プライベートで沖縄出身のスタッフ仲村さん、長嶺さんと交わした「沖縄アイデンティティー」「平和」「安全保障」に関する議論、また滞在中に知り合った沖縄の人たちと交わした話も私にとって大変有益なものであった。
内容の濃かった2ヶ月のインターン経験を、今後の研究・活動においていかにプラスに転換していくかを課題に据え、日々精進したい。