沖縄平和協力センター
インターンシップ期間:2022年2月14日~3月11日
早稲田大学 国際教養学部 1年
濱口 真梨子
今回2022年2月14日~3月11日の1ヶ月間沖縄平和協力センター(OPAC)にてインターンシップを経験させていただきました。まずコロナ禍にも関わらず県外から来る私を快く受け入れて下さり、様々な学びと経験の機会を提供して下さったOPACの皆さん、本当にありがとうございました。
春学期にOPACの設立に携われた上杉勇司先生のセミナーを履修した際、沖縄の戦時中・戦時後の状況、基地問題やうちなんちゅのアイデンティティについて学ばせていただき、自国における戦後の現状や日本の平和への向き合い方に対する無知さを痛感しました。
今現在も戦後の名残りで、沖縄は本土の都合の良いように利用され、常に本土のしわ寄せを受け、構造的に不利益を被っているという事実を知ったほか、基地問題や日本の安全保障問題に関して、沖縄の人々と本土の人々との間での当事者意識のギャップを気付かされました。これらの学びから私自身、もっと自分ごととして沖縄の問題について知り、向き合っていく必要があるのだなと感じさせられ、実際に沖縄という地で平和や安全保障問題について学び、平和構築に関連した活動に取り組みたいと思うようになり、上杉先生の紹介もあり、今回インターンシップをさせていただく運びとなりました。
年度末ということもあり、主業務は事務作業でしたが、その中でも様々な学びと経験を得ることができました。 「平和への思い」の事業報告書作成の補助を通じて、戦争や紛争・虐殺を経験した地で暮らし、平和構築に興味のある同年代の考えや想い・提案などを、報告書上ではありますが読んでいく中で、多くの刺激を受けました。戦争や虐殺の被害国や地域間が各国の想いや考えを共有し団結して「平和」に向けて働きかけることの重要性を再確認させられたものの、現在の沖縄の周縁化された状況を見ると、いくら被害地域のみが平和の重要さを説き、伝承していても、公共の教養として傍観者である私たち東京などの地域に住む人々が”平和”について学びそれを内面化しないと、沖縄のこの現状は変えられないと沖縄に滞在する中で考えるようになりました。
私は、東京生まれ東京育ちであり、広島や長崎、沖縄の学生とは異なり、平和学習というものは身近ではなく、ほぼ受けたことがありません。原爆や沖縄戦に関しても地域間で知識や当事者意識の乖離があることを痛感しました。それを踏まえ、今後このプロジェクトに、東京やアメリカの学生など加害者やいわゆる傍観者の立場にある国や地域に住む人々を巻き込むことが、より実践的な平和構築事業を行う上で有効的なのではないかと考え、これを提案します。ご検討いただけましたら幸いです。
事務作業にとどまらず、フィールドワークもやらせていただくことができました。JICA沖縄にて行われたOJTに対してOPACが行う講義で仲泊さんと樋口さんがそれぞれ行われたカンボジアと東ティモールでの海外における平和構築の事業に関してのお話では、JICAとNPOの連携やNPOと支援国の連携などを学べ、将来、現場でピースビルダーとして働きたいと考えている私にとって、とても有意義な時間を過ごすことができました。私自身、高校時代にカンボジアで行った小学生に対するボランティア活動がきっかけで、国際協力や開発協力という分野に興味を持ったので、もし機会がありましたら、カンボジアの事業に携わらせていただけたらと思います。
沖縄理解プログラムではOJTとシエラレオネ、ケニア、アルゼンチン、アフガニスタンから渡沖している留学生と共に、仲泊さんからの沖縄戦についての講義を聞いた後に、ひめゆり資料館と平和祈念公園を訪問しました。留学生の皆さんが真剣な眼差しで興味深そうに沖縄の歴史に向き合って下さっている姿がとても印象的でした。私は大学で国際教養学部に所属しているのですが、その中には海外からの留学生も多く、歴史認識や価値観が多様に存在する環境です。沖縄県外出身の日本人学生にとどまらず、各国の留学生と、資料館で見て感じた思いや学びを共有し、沖縄の教訓や反省・問題点を討論し、紛争解決や平和構築に関して考えを深めていこうと思います。
また、OPACの皆さんの計らいで、今年度の「平和への思い」事業に参加された仲本和さんにガイドしていただき、嘉数高台と辺野古基地に行くことができました。同世代ですが、平和教育活動に献身されている仲本さんのお話はとても興味深く、基地問題にとどまらず様々なことを学ばせていただきました。私自身、知識のインプットだけでなく、今後は実践的に学びアウトプットをして、平和構築に取り組んでいこうと強く思うことができました。仲本さんにこの場を借りてお礼申し上げます。
当インターンを通じて、百聞は一見にしかずということを強く感じました。NPOの実態や現在行われている平和構築プログラム、基地問題など現場に行ったことで初めて見えるもの・感じるもの・学ぶことが多くありました。平和の種の一粒となれるよう、OPACでの経験と学びを活かし、今後の大学生活、特に来る来夏のアメリカ留学に向けて精進していこうと思います。