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インターンシップ体験談

沖縄平和協力センター
インターンシップ期間:2013.11月5日~11月22日
名古屋大学大学院国際開発研究科 博士課程前期1年
今野 愛


  OPACが実施する国際平和協力の活動に約3週間、インターンとして参加させて頂きました。今回のインターンシップ内容では、JICA沖縄国際センターからの受託事業である、東ティモール青年研修事業「地域における中小企業振興コース」の業務補佐を体験しました。  
  インターンシップを志望した動機は、大学院で国際協力を専攻しており、 授業を通して平和構築の知識を得る中で、実際の日本の国際協力の現場を知る必要性を感じたからです。日々の授業を通して国際協力とは?平和構築とは?と、国際協力の現場が見えてこない不甲斐なさを感じていました。しかし、今回のインターンの経験を以て、今後の研究の一助として、さらには今後のキャリア形成に大変役立つものとなりました。  
  3週間の青年研修では、テトゥン語が飛び交う東ティモールからの研修生に囲まれた日々を過ごしました。私の通う大学院の環境が、国際色豊かであった事もあり、コミュニケーションも英語が出来れば大丈夫だろうと根拠の無い自信を持って研修に参加しました。事前にインドネシア語での青年研修であると聞いており、研修前にインドネシア語での簡単な挨拶と「ナマサヤ、アイ。」と名前が言える程度の準備しかしていませんでした。 しかし、参加する研修生全員が英語を話せる訳ではなく、さらに青年研修に関わるスタッフの中で、インドネシア語またはテトゥン語が話せないのは私だけであり、研修生との言葉の壁を第一日目にして感じました。
  初めての沖縄での生活、そして言葉の障壁の中で、不安なスタートでのインターンシップでした。しかし、東ティモールの明るい人柄の研修員、青年研修担当であった樋口さん はじめとする青年研修全体の雰明るい雰囲気のなかで、業務を体験させて頂いたことに大変感謝しています。  
  東ティモール青年研修の内容は、沖縄の特性を活かしたリーディング産業の取り組みや、沖縄の戦後復興の経験を講義形式で学び、実際に産業振興の現場を視察することでした。今後の東ティモールをリードする若手人材の育成として、日本が取り組む国際協力の現場を自分の目で確かめることができたのはとても貴重な経験でした。私は議事録作りを担当させて頂き、研修生の講義内容、研修員から挙げられた質問の内容をまとめながら、研修員の反応や様子を実際に目にすることができました。研修員の活発な議論の場、沖縄の産業の現場に対して目を輝かせて学ぶ姿に心を打たれました。東ティモールの国づくりのためのノウハウを出来るだけ多く理解し、 講義に耳を傾ける研修員の姿は、私にとって最も忘れられないものとなりました。
  沖縄での生活の中で、『いちゃりばちょーでー(行逢りば兄弟)』という ウチナーグチ(沖縄方言)を教えて頂きました。これは、一度会ったら皆兄弟、 一期一会という意味だと聞きました。OPACの活動、沖縄の精神を通して学んだことは、人と人との繋がりの重要性、国際協力に必要なのは『人づくり』であることです。国家間の戦争、民族同士の紛争の解決問題を問う中で、アクターである人間同士の繋がりが平和づくりの一歩であると確信することができました。今回の青年研修は平和構築をテーマに活動ではありませんでしたが、今後の国際協力のあり方を鑑みる貴重な経験となりました。  
  最後に、OPACの業務に携わらせて頂いた中で、業務補佐としての力不足であったことに深く反省しています。研修最後のアクションプラン作成にあたり、通訳の方が訳された内容を文章としてわかりやすく作成する事、研修後の業務完了報告書として書類を作成する作業に時間をかけてしまった事など、仕事のやりがいを感じる一方で、自分の未熟さに気づく事が出来ました。 そして現在、実際に平和構築の現場の第一線でご活躍されている樋口さんからは、東ティモールの国づくりの課題、平和構築の現場の様子など、常に的確なアドバイスでご指導いただきました。 現地の人たちの平和づくりのために何が一番よいのかを真剣に考え、行動されている姿を見て、今後大学院での研究に必要なことは何か、一から考える機会を与えて下さいました。
  OPAC全体のアットホームな雰囲気の中で、事務所の仲泊事務局長、大浜さんの会話から日米安全保障の課題や、国際協力の専門的な議論に至り、幅広いテーマのお話が出来たことも忘れられません。そして、様々なフィールドでご活躍される OPACの歴代インターンの方々との出会いも私にとって、大変有益なものになりました。今回の経験を活かし、日々精進して行きたいと思います。本当にお世話になりました。