インターン体験記

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インターンシップ体験談

沖縄平和協力センター
インターンシップ期間:2014年8月11日~8月19日
オーストラリア グリフィス大学 アジア学部 3年
柴田 奈々


 日本の対米国、アジア外交を考察する上で、沖縄が抱える課題に向き合うことは避けては通れない。大学でアジアの政治経済を勉強している私は、政治・国際関係・市民が密接に関わっている沖縄にて、自分の目で、問題の現状を確かめ、考えを深めることの必要性を感じていた。
 そんな中、沖縄平和協力センターが、基地・安全保障や尖閣諸島の問題に、真剣に取り組まれているということを知り、インターンシップに応募させて頂いた。私は、今回のOPACのインターンシップで、ふたつの目的を定めていた。
 まず、米軍基地に足を運び、実際に現地の人や座り込みをされている方の声を聞くことで、基地が問題とされている現状を把握するということ。次に、その声を、OPAC通信発行を通じ、世に基地問題について興味を持って頂く、という業務に携わることだった。結果として、それらの目的は、フィールドワークでは勿論、事務所での業務からの学び、又、OPACのスタッフの方々のお力添えのもと、達成することができた。
 辺野古新基地の着工の前日、仲泊さん、大浜さんに辺野古に連れていって頂いた。基地へ足を運び、聞いた声は、まさに現地へ赴くことでしか得られないものだった。印象的だったのは、地元の漁師さんたちから伺ったお話。彼らは生まれてから今まで、育ってきた環境を失いつつあるといった現実に直面していた。基地移設について「国が決定したことに抵抗しても何の意味もない」「政府がやると言ったら、どうせやるんだから」と、抑さえられずにはいられない怒りの気を抑制しながら、あきらめの意を露にした。そのような彼らの表情が忘れられない。彼らが口にした言葉は私に「人々の声を反影した政治体制、民主主義とは一体何なのか」という疑問を残した。 地元の漁師さん達のように、否応無く、基地移設を受け入れる住民がいる一方で、自分たちが行動することによってメディアに取り上げてもらおうとしている人々も大勢いた。シュワブ・ゲート前の座り込みの人たちである。ゲート前で、毎日のように、辺野古に通い、反対運動をしているという親子に話を伺った。いま、本土の人に一番伝えたいことはあるか、という質問に「うちなーんちゅも、同じ日本国民。同国に暮らす人間として、まずは基地問題が存在しているということをよく知り、関心を持っていてほしい」と声をあげた。最も恐ろしいのは、一国でありながら、本土と沖縄の間に溝ができてしまうことではないだろうか、と思わずにはいられなかった。
 わたしは、今まで、自分の関心や大学の勉強の延長で、沖縄が抱える問題に興味を持っていた。しかし、インタビューの最後に、話を伺った女性から「沖縄の状況を世に伝えて」と伝えられた私は、私個人の興味以上に、人に発信をしていく役割があるのではないか、と辺野古での取材が進路選択のきっかけのひとつになったようにも感じた。  このような貴重な機会をくださったOPACの皆様には大変感謝している。この場を借りて御礼を申し上げたい。短い期間でしたが、大変お世話になり、本当にありがとうございました。今回学ばせて頂いたことをしっかりと吸収し、将来に活かさせて頂きたいと思います。