インターン体験記

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インターン体験記

東京国際大学
国際関係学部 国際報道学科
清水 雅代


 今回のインターンへの経緯としては、自分がマスコミ志望であることと、沖縄の基地に関心を持っていたということがある。そんな時、大学の先生からOPACを紹介され、私自身OPACの方針にも惹かれたということもあり、1ヶ月間のインターンへと至った。
 OPACの事業として、日米安全保障の研究、JICAと協力して東ティモールへの平和活動という二つを主に行っている他に、セキュリティー・レビュー(安全保障研究会)という自主事業を行っている。
私はその中でも、日米安全保障の分野の研究を行うこととなった。基地に関心を持ち始めたのが最近ということもあり、知識の乏しさから最初の1週間は用語を覚えるのに精一杯だった。その後は、今年度の米軍再編についての論文の要約や今まで自主事業で行ってきたセキュリティー・レビュー(安全保障研究会)の内容の要約を2週間かけてまとめた。最初はパソコンの初心者だったということもあり、タイピングにもなかなか慣れなかったことや、文章を要約するのもとても難しかった。しかし、慣れていくうちに論文の内容も把握できるようになり、文章をまとめる楽しさも覚えていった。後半は、米軍再編の英語論文を翻訳することになったのだが、武器や米軍部隊についての英語だったので訳すのにとても苦労した。でも、全部終えた後の達成感をとても感じることができた。
 今までの話を聞くと大変そうに聞こえるかもしれないが、インターンで得た経験はこれだけではない、事務局長である清水さんに連れられ、沖縄事務所の担当大使の交代レセプションや米国総領事館で行われたイランの核問題に対する国際テレビ会議にも出席することができた。普段の生活では体験できない貴重な経験をさせてもらった。
 また、OPACではセキュリティー・レビューという研究会を2ヶ月に1回のペースで開催しているのだが、今回訪れた際には、偶然にも2回の研究会に参加することができた。一人目の講師は、防衛大学教授の村井友秀先生という方で、東シナ海をめぐる日米中軍事バランスについてお話していただいた。内容としては、沖縄にある米軍基地の重要性と中国の脅威に関することで、中国側の視点からのお話も聞かせていただいた。中国の国家戦略というお話から中国の米国・台湾・日本に対する態度の違いを知ることができた。
 二人目の講師は、防衛庁防衛研究所教官の高橋杉雄先生という方で、昨今の米軍再編問題についてお話していただいた。この時期はちょうど米軍再編の最終報告直前ということでとても関心があるテーマだったのだが、QDR(4年毎の国防計画見直し)についてのお話だったこともあり、内容についていけない場面もあった。このことから、米国側視点の米軍再編やQDRについてもっと勉強しなくてはならないと痛感した。
 さらに、沖縄に1ヶ月間訪れて一番の思い出となったことは、様々な世代の人たちに出会えたことだ。私は埼玉に住んでいるのだが、今までは、埼玉の人を中心にしか知り合いがいなかった。しかし沖縄に来て、宿泊していた所もドミトリーという集団生活をするということもあり、他県の様々な世代の人達に出会うことができた。そして、OPACでも、先ほど述べた講師の方々やOPACのスタッフの方、隣の事務所の方などに出会い、自分とは違う視点からの意見やお話しを聞くことができ、とても良い経験を得ることができた。
 最後に、今までは基地問題に関して、地位協定や環境に関する問題など様々な問題ある中で、どれを重点的に学べばいいのか定まらなかったのだが、今回のインターンにより、米軍再編問題に対する多くの方の意見や詳しい内容を知ることができ、今後もこの点を中心に学びたいと思った。今はまだ自分の考えをうまく言えない状態だが、今回の経験を生かしいつか明確な問題提起をできるようになりたい。